特定商取引法の見直しに関する要望書

はじめに

平素は、牛乳販売店業界に対しまして格別なるご指導、ご鞭撻を賜り、厚く御礼申し上げます。

さて、私ども牛乳販売事業者は、食料の安定的な確保・食料自給率の向上に向けて酪農乳業界と一体となって、国民の健康生活、産業活動を支える一役を担うべく、 その重要な使命を果たす努力を日夜行っております。

また、消費者からの食品に対する安全・安心への要望に応えるため、各種投資に伴うコスト増大にも対応を進めながら事業発展に取り組んでおります。

現在、「特定商取引法専門調査会」が開催され、法律の改正を含めて規律の在り方が調査審議されておりますが、 悪質な事業者から消費者を守ることは当然のことながら、私ども牛乳販売店を含め、大多数の健全な事業者の経済活動に対する過度な規制を招く恐れもあり、 正当な経済活動を委縮させ、新たな規制対応によるコスト増が消費者に転嫁されたり、消費者にとって必要なサービスや情報から遠ざけたりするなどの弊害を伴うことが想定されます。

このような状況の中、酪農乳業界の発展に寄与し、国民の健康的な生活と産業活動を支えるサービスを維持していくためにも、 以下の通り健全な事業者に対する過度な規制導入には強く反対を要望いたしますので何卒格別のご高配を賜りますようお願い申し上げます。

理由

・牛乳販売事業は酪農乳業と一体となって、永年に亘り、国民の健康増進に貢献している。

現在、「買い物難民」といわれる現象が起きているが、牛乳の宅配は地域の隅々まで営業活動を行っており、地域に無くてはならない必要欠くべからざるサービスである。

実際に牛乳宅配利用世帯は全国で 650万世帯を超え、決まった日、決まった時間に適量を玄関までお届けする家庭生活に密着している文化として、 牛乳宅配・牛乳販売店の重要性は非常に高いものがある。

消費者調査によると「定期的に家に届くので買い忘れがない」「飲むことが習慣化し、健康に良いサイクルが自然とできあがる」との高い評価を受けている。

・また、地域のお客様が安全・安心を感じられる店構えに改装を行うとともに、配達先の家庭に保冷受箱を設置し、蓄冷剤を用い、配達時は保冷車を導入し、 店舗からご家庭まで冷たい商品をお届けする温度管理の徹底を図る近代化を進めてくることで消費者からの安全・安心の要望に応えている。

・また、牛乳販売店は、その地域に所在し、信頼関係で結ばれ地域に密着した事業者が多く、更に従業員の殆どがその地域に居住する主婦及び高齢者を中心としており、 地域の産業として雇用機会の創出にも寄与している。

・そうした中で、牛乳宅配の訪問によるセールスは、消費者に対する商品・サービスの有用な情報提供の機会となっており、 通常の情報だけでは健康管理の重要性を認識できない消費者にとって有効かつ重要な情報提供であり、判断の機会となっている。

特に牛乳宅配においては、消費者との関係が密接かつ長期継続することから、消費者の意向に沿わないセールスは営業面でむしろマイナスとなり、 現状、健全な営業活動が営まれており、悪質な業者と同一の訪問販売事業者として一括りに論議されることには違和感を覚える。

・こうした健全な業界の維持、拡大には、牛乳販売店業界としてきめ細かなガイドラインや自主規制を行うとともに、事業者から消費者に 良質なサービスが継続して提供されるべく、今回の法改正が牛乳販売店の営業活動を規制するものであってはならない。

背景

・牛乳の販売は明治初期から酪農家が搾乳し、壜に詰め、自ら販売するという業態は存在していましたが、 昭和2年警視庁令牛乳営業取締規則改正(日本最初の殺菌令)され、翌昭和3年(西暦1928年)、製造と販売を分けた「牛乳販売店」が誕生した。

・2012年商業統計では牛乳小売業の事業者は6,662社、従業員数は26、928名となっており、従業員は地域の主婦及び60歳以上の高齢の男性も多く、 地域の雇用促進と活性化に寄与している。また、パート・アルバイトを含めると全国50,000名を超える従業員の雇用創出を図っている。

・配達先の家庭に保冷受け箱を設置し、蓄冷剤を用い、配達時は保冷車を導入し、店舗から冷たい商品をお届けする温度管理の徹底を図る中で、早朝かつ毎日配達から、 隔日配達や昼配達を可能とし、牛乳販売店の就労条件の改善を図り、女性特に主婦並びに高齢者が働き易い環境作りに努めてきた。

・地域のお客様との信頼関係に基づく事業活動を行う中で、各都道府県警察本部と協力し、配達車両に「防犯パトロール中」のステッカーを貼り、 犯罪抑止活動にも努めている。更に牛乳が保冷受箱から取りだされていない等、異常があった場合の在宅確認など高齢者の見守り活動にも協力、 地域社会の安全・安心にいささかなりとも貢献をしてきている。

牛乳宅配は、お客様が「買う」とは言わず「取る」といい、月末締め切り、翌月にお支払い頂くというお互いの信頼に基づいた、他の業種業態とは違った独自の文化を育み、 牛乳販売店発足以来87年に亘り、地域に根付き、地域に密着した地道な営業活動を行って地域との信頼関係を培ってきた歴史がある。

・この様なお客様本位の地道な営業活動を80数年間継続しているが、お客様との大きなトラブルは極めて少なく、牛乳販売店が行政処分を受けた事例は皆無である。

・不招請勧誘の禁止など新たな規制を設けることは、永年に亘り国民の健康増進、地域の安全安心に貢献している牛乳販売店業界の経済活動を大きく阻害し、 各販売店の経営破綻に直結する事態となることは必至である。

・健全な営業活動を行ってきた牛乳販売店業界の社会的公益性をご理解いただき、現行法以上の規制は実施しないよう切に希望する。

以上

東京都千代田区岩本町2-11-3
日本乳販政治連盟
委員長 川幡 康成
平成27年7月30日

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